恕のたより vol.3

一年生(熊本駅前校)を対象にした「宿泊研修」が熊本地震の影響で1泊2日に短縮して、藍より青い天草の海を一望できる天草青年の家で実施されました。研修の一環として、白衣授与式が行われました。
青照館の学生さんにも、ぜひお伝えしたいと思い、第3号は、白衣授与式で話した式辞を一部変えて紹介します。

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(写真は、天草青年の家からの天草の眺め)

これから臨床実習に臨むみなさんへのメッセージ

「皆さんは、入学早々、これまで例をみない熊本地震を経験し、波乱に富んだスタートを切りました。なかには家屋の損壊など厳しい環境に置かれた学生さんもおられます。
白衣授与式は、白衣の授与を通じて、セラピストに対する強い自覚と決意を促すという、セラピストを目指す者にとって、意義ある儀式であります。皆さんが、医療に対する思いを大切にはぐくみ、その学びを重ね、成長してくれることを、大いに期待しています。
青照学舎では、「愛と和」の教育理念のもと、リハビリテーション医療を通じて、医療、保健、福祉の分野に貢献するとともに、人間愛に基づいた深い素養と確かな技術に裏打ちされた質の高いセラピストの養成を目指しています。
皆さんにとって、今日という日は、これまでの学んだ専門知識をもとに、病院などでの本格的な臨床実習に取り組むという、新たな門出の日になります。
皆さんはこれからいよいよ医療現場での実習に臨むことになり、リハビリ指導を必要とする多くの患者さんが待ち受けておられます。
皆さんは、患者さんの機能回復、さらに社会復帰・社会参加への道をめざすすために、コミュニケーションなど様々な手段を通じて、患者さんをしっかりと観察し、深い洞察力のもと、回復、社会参加のための計画を立て、チームとして実践していく「リハビリ・マインド」を大切にして、これからの実習に臨んでください。セラピストは、人生をあきらめかけた人間から、人生をよりよく生きる人間に変えるという、崇高ですばらしい職業であります。
だからこそ、皆さんがこれから一人前のセラピストになるまでの道のりは、決して平坦なものではありません。一人前のセラピストになるには、多くの試練が待ちかまえています。しかし、苦難をのり越えて、到達する道であるからこそ、尊くて価値があるのです。
皆さんが、青照館に所属している自分自身に自信と誇りを強く持ち、セラピストの職務の重要性をしっかりと認識し、愛と和の心を持ち続け自己実現を図ってくれることを期待しています。」

学校長 高野 茂