恕のたより vol.4 「熊日新聞に掲載」

恕のたより -学校長通信第4号-
学校長 高野 茂

続いて、「熊本日日新聞」に駅前校の生徒3人の声が掲載

理学療法学科1年の山本紗希さんの文が「米軍基地問題 意識を変えて」というタイトルで7/15付の朝刊(「読者の広場」)に掲載されました。

要約しますと、日本各地にある米軍基地の75㌫は沖縄県にある。全体の75㌫を沖縄県に負担させているのは疑問に思う。それと同時にもし、熊本県に基地が75㌫もあったら自分はどうするかと思う。深刻なのは国民が沖縄県に負担をかけているという意識がないことだ。「もし、あなたの住んでいる町に基地がきたら、どうしますか」。解決策はまだ見つからないが、一人一人の意識が変われば、早く解決策が見つかると思う。

公職選挙法が改正され、選挙権が18歳以上に引き下げられました。選挙権が付与された皆さん、基地問題をはじめ政治にも関心を持ち、大切な一票を投じてもらいたいと思います。

 

2人目は、理学療法学科1年の福島 淳さんの文が「温かく迎える 家族は大切だ」というタイトルで7/18付の朝刊(「読者の広場」)に掲載されました。
11歳の時、父を亡くした。一番つらいはずの母は強く、弟は男らしく私に接してくれた。つらい状況で自分のことではなく、家族のことを考え、私を励まし、前を向かせてくれた家族は私にとって一番大切で、一番大きな支えだ。4月から本校に通うために一人暮らしをはじめた。実家を離れ、1人で暮らす寂しさと不安で何度も帰りたいと思っていたときに安心させてくれたのは家族で、帰省したときも温かく迎え、元気をくれた。家族は大切な存在でかけがえのないものだ。これから先、家族を大切にしていくというのは当たり前なのだ。
家族を大切にする気持ちがひしひしと伝わってきます。これから、様々な苦難が待ちかまえていると思いますが、乗り越えて信頼される理学療法士になられることを期待しています。

 

3人目は、理学療法学科1年の稗島 康平くんの文で「若者は本や新聞を身近に」というタイトルで7/20付の朝刊(「若者コーナー」)に掲載されました。
人は「人から学ぶ」「本から学ぶ」「旅から学ぶ」以外に学ぶ方法を持たない動物である、という言葉を聞いたことがある。私自身理学療法学科に進んだのは、現場で働く人に影響を受けたからだ。しかし、本から学ぶ機会が一番多かったような気がする。一生の間に会える人物は限られているし、旅はしばしばできるものではない。しかし、読書は読めば読むほど思考が広がり考えが深まる。現代の若者はバスや電車の中でもスマホを見つめる人ばかりだ。利便性は向上したが、失うものが多い気がする。難題も「YESかNO」で二者択一になり、時間や労力は省けるが、思考はそこで停止する。私を含め今の若者は本や新聞を身近にするべきだ。

全く同感です。若者の活字離れが言われ続けていますが、「本や新聞から学ぶ」ことは教養を深め、人間性を高めることにもつながります。思考をめぐらすことで、他を思いやる心にもつながると思います。
掲載された皆さん、おめでとうございます。

先週の16日(土)に所用で益城町の津森神宮に行きました。熊本地震で被害が甚大であることは聞いていましたが、町役場周辺や杉堂方面の被災状況には、言葉もなく呆然としました。復興には相当の時間がかかると思いますが、一日も早い復興を願っています。

 

恕のたより vol.3

一年生(熊本駅前校)を対象にした「宿泊研修」が熊本地震の影響で1泊2日に短縮して、藍より青い天草の海を一望できる天草青年の家で実施されました。研修の一環として、白衣授与式が行われました。
青照館の学生さんにも、ぜひお伝えしたいと思い、第3号は、白衣授与式で話した式辞を一部変えて紹介します。

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(写真は、天草青年の家からの天草の眺め)

これから臨床実習に臨むみなさんへのメッセージ

「皆さんは、入学早々、これまで例をみない熊本地震を経験し、波乱に富んだスタートを切りました。なかには家屋の損壊など厳しい環境に置かれた学生さんもおられます。
白衣授与式は、白衣の授与を通じて、セラピストに対する強い自覚と決意を促すという、セラピストを目指す者にとって、意義ある儀式であります。皆さんが、医療に対する思いを大切にはぐくみ、その学びを重ね、成長してくれることを、大いに期待しています。
青照学舎では、「愛と和」の教育理念のもと、リハビリテーション医療を通じて、医療、保健、福祉の分野に貢献するとともに、人間愛に基づいた深い素養と確かな技術に裏打ちされた質の高いセラピストの養成を目指しています。
皆さんにとって、今日という日は、これまでの学んだ専門知識をもとに、病院などでの本格的な臨床実習に取り組むという、新たな門出の日になります。
皆さんはこれからいよいよ医療現場での実習に臨むことになり、リハビリ指導を必要とする多くの患者さんが待ち受けておられます。
皆さんは、患者さんの機能回復、さらに社会復帰・社会参加への道をめざすすために、コミュニケーションなど様々な手段を通じて、患者さんをしっかりと観察し、深い洞察力のもと、回復、社会参加のための計画を立て、チームとして実践していく「リハビリ・マインド」を大切にして、これからの実習に臨んでください。セラピストは、人生をあきらめかけた人間から、人生をよりよく生きる人間に変えるという、崇高ですばらしい職業であります。
だからこそ、皆さんがこれから一人前のセラピストになるまでの道のりは、決して平坦なものではありません。一人前のセラピストになるには、多くの試練が待ちかまえています。しかし、苦難をのり越えて、到達する道であるからこそ、尊くて価値があるのです。
皆さんが、青照館に所属している自分自身に自信と誇りを強く持ち、セラピストの職務の重要性をしっかりと認識し、愛と和の心を持ち続け自己実現を図ってくれることを期待しています。」

学校長 高野 茂

恕のたより vol.2

平成28年度学校法人青照学舎学校説明会が開催される
7月1日(金)、駅前校において県内高校などの先生方を対象にした学校法人青照学舎学校説明会を開催しました。県内から多くの先生方に参加いただき、感謝申し上げます。この説明会の様子については、ホームページで取り上げられるかと思いますが、説明会の挨拶で話した学校の強みを紹介します。

メディカルカレッジ青照館の強みは何か

青照館は平成12年に開校した学校で、卒業生は県内外の多くの病院・施設などに勤務していますが、なかには大学で研究者として活躍している卒業生もいます。自然に恵まれた環境のなか、「先生と学生の間が」近くて家族的な雰囲気に包まれており、少人数による指導が徹底していることが青照館の強みです。

熊本駅前看護リハビリテーションの強みは何か

駅前校は平成20年に開校し、新しい校風を作り上げている活気に満ちた学校です。熊本駅のすぐ前にあり、交通アクセスが抜群によいこと、特養施設の「グッドライフ熊本駅前」が隣接して実践的な研修を行うことができ、即戦力としての力をつけることができること、また、新都心プラザには市立図書館が入っており、学習環境も整っている等の強みがあります。

両校に共通する強みは何か

高校と同じように朝の朝礼があり、先生方が、一人一人の学生としっかりと係わり、徹底した個人面談を行うなど一人一人を大切にした指導が行われていることです。

「熊本日日新聞」に本学生の声が掲載

駅前校の理学療法学科1年・松﨑桜子さんの文が「亡父が教えた知・優しさ・絆」というタイトルで7/4付の朝刊(「読者の広場」)に掲載されました。その概要は、熊本地震の前日に父を亡くし、悲しむ間もなく、2回にわたる地震に襲われ、家が全壊。家族は車中生活を余儀なくされ、その日を生きるのが精一杯だった。しかし、父を思い出すようになり、不便さを楽しむ工夫のおかげで、避難生活を頑張り、1人ではできないことも家族で協力すればできることを知らないうちに教わっていた。父から教わった知識や知恵ねそして気付かないうちにもらっていた優しさや家族の絆という宝物を大切にしたい。という内容でした。
大変な苦難に直面し、父親が教えてくれた宝物(知・優しさ・絆)を大切にしてこれからを生きていこうとするたくましさと強さを感じました。このつらい体験を生かして、ぜひ、目標である理学療法士になられることを期待しています。
今回も文字中心になりました。

恕のたより

president学校長のつぶやき

メディカル・カレッジ青照館 学校長 高野 茂

「恕のたより」 vol.1

今年4月に起きました熊本地震、6月の洪水と度重なる自然災害で被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、災害復興を心から祈念申し上げます。

さて、これから「恕(じょ)のたより」という一風変わった題名の通信を不定期に発行していくことにしました。このたよりは、学内の学生諸君へのメッセージとともに、広く学外の皆様にも本学の紹介を兼ねた広報の役割を持たせたいと考えています。そのため、学内の一コマ、本学近隣の紹介、本学の先生や学生紹介などを盛り込んだ内容を予定しています。

第1号は3ヶ月遡って4月の本学入学式の式辞で新入生にお願いした3つのことを要約して紹介します。

「恕」(他を思いやる心)

「恕」は中国の儒者孔子が最高の道徳としたもので「他を思いやる心」であります。皆さんがこれから目指す職業は人と接することが基本にあり、コミュニケーション能力が強く求められます。その際、相手を思いやり、相手の心を推しはかっての行動が重要になります。そこに自分と他人とが共に生きる道が開かれています。

「学在自得」(学問は自ら学びとるものである)

熊本県が生んだ偉大なジャーナリスト徳富蘇峰の言葉です。皆さんはこれまでの教育とは違いスペシャリストになるために専門の学問を学んでいくことになります。その際、「聞いて学ぶ」ことに加えて、「自ら能動的に学ぶ」ことが重要になります。その姿勢が一人一人のキャリアをしっかりと根付かせることになります。

「初志貫徹」(初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと)

スマイルズは「自助論」という本のなかで、「意志あるところ、道は開ける」この古いことわざは、真理そのものである。何かをなそうと決意した人間は、まさにその決意によって幾多の障害を乗り越え目標に到達する、と述べています。皆さんはこれから様々な困難や挫折に遭遇します。その時、入学したときの初志に立ち戻り、気持ちを奮い立たせ、困難を克服してください。

 

最後になりましたが、これからは、文字だけでなくビジュアルなものも取り入れていきますので、末永くお付き合いください。